地域・病院にとっての役割
急性期のみならず、その後の生活を見据えた
医療とケアの提供を目指す。
浜松医科大学救急災害医学講座 教授
渥美 生弘TAKAHIRO ATSUMI
当科に興味を持っていただきありがとうございます。救急災害医学講座の渥美です。
2025年、浜松医大には救急・総合診療科が誕生しました。
私たちは、急な病気や外傷に直面した患者さんの背景を理解し、患者さんやご家族と共に病気に向き合う診療を大切にしています。大学病院という多くの専門診療科を有する環境を生かし、各専門科と連携しながら、患者さんにとって最も適切な専門的治療へとつなぎます。また、地域の医療機関や福祉部門とも連携し、急性期のみならずその後の生活を見据えた医療とケアの提供を目指しています。
患者さん一人ひとりに丁寧に向き合い、若手医師だけでなく、全身管理を学びたい医療者や多職種とともに診療にあたり、互いに学びを深めながら地域医療の発展に貢献してまいります。
総合診療は全人的に捉える専門領域。
医師の視野を広げる環境を整えています。
浜松医科大学地域家庭医療学講座
日本プライマリ・ケア連合学会 副理事長
井上 真智子MACHIKO INOUE
総合診療科は、臓器・疾患別の枠組みを超え、患者さんを全人的に捉えて診療を行う専門領域です。当科では救急科と連携し、診断が難しい症状や複数の健康問題を抱える患者さんに対して幅広い視点からアプローチします。また必要に応じて地域の医療機関や専門診療科と連携し、より適切な治療やマネジメントへとつなぐ役割を担っています。
同時に当科は、次世代の総合診療医を育てる教育拠点でもあります。学生や研修医が患者さんの生活背景や取り巻く環境を踏まえ、システム思考で課題を捉え、多職種と協働しながら問題解決に取り組む経験を積める環境を整えています。
総合診療は、これからの医療を支える基盤となる分野です。当科がその学びの出発点となることを願い、診療・教育・研究に取り組んでいます。総合診療に関心をもつ皆さんにとって、ここが医師としての視野を広げ、自分の軸を築く出発点となることを願っています。


院内外の医療をつなぐ、起点となる救急医療
救急搬送された患者さんを入口に、院内外の医療者・多職種と連携しながら、その後の診療へとつないでいきます。
臓器別専門診療で、対応が難しい健康問題を診る総合診療
診断未確定から複雑な病態まで、全身を捉え最適な医療へ導きます。

患者さんやご家族と対話を重ねながら、医療者だけでなく患者さんも共に考え、その人らしい医療を選択していきます。

実践的な臨床の現場を通して、次世代の医療者を育てています。
地域の不安に向き合い
安心へつなぐ
突然の痛みや苦しみ、急な病状の変化など、救急で来院される患者さんやご家族は大きな不安を抱えています。
私たちは、その不安に向き合いながら適切な初期対応と診療を行い、患者さんの安心と、その先の医療や生活へつなぐ役割を担っています。
診療をつなぎ
医療を動かす
救急で来院された患者さんの初期対応を担いながら、院内の専門診療科や多職種と連携し、適切な診療へとつないでいきます。
診療科の枠を越えて医療をつなぎ、病院全体の医療が円滑に機能するよう支えています。

救急から地域へ、切れ目なく支える医療連携
医療福祉支援センターは、地域連携室部門、医療福祉相談部門、入退院支援部門の3つの機能を持つ部署です。
患者さんやご家族が安心し、満足できる医療サービスの提供を目指し、特定機能病院と地域医療をつなぐ重要な役割を担っており、医師・看護師・社会福祉士・事務職など多職種がチームを組み、連携して支援を行っています。
救急外来を受診される患者さんの中には、早い段階から退院支援や転院調整が必要な方がいらっしゃいます。また、入院とならず帰宅される方の中にも、自宅での生活に困難を抱えているなど、医療だけでは解決できない課題をお持ちの方が少なくありません。そこで、救急外来、医療福祉支援センター、行政や地域の関係機関が連携して支援を行っています。また、次回外来受診時のフォローアップなども含め、状況に応じた様々な対応を行っています。
多職種・多機関が連携し、切れ目のない支援ができる救急外来を目指しています。

命の危機に瀕した患者さんに、適切な処置を行い救命する。
救急チームが一丸となり、患者の命と向き合います。
その危機を脱した先に現実と向き合う時間が生まれます。
つらい状況の中にある患者さんに、少しでも安心を届けたい。
そのご家族が現状を理解し、これからのことを考えられるようにしたい。
そして、院内の医療者や地域で支える医療者にとっても、『困ったときに頼れる存在』でありたいと考えています。
私たちは、その『安心』を実現するために、常に『挑戦』を続けます。
新しい治療に取り組むこと。よりよい医療の仕組みをつくること。
迷ったときこそ立ち止まらず、より良い方向へ進み続けること。
救命の最前線である救急医療から、総合診療、慢性疾患管理、在宅や地域連携までを一貫して担い、複雑な問題を抱える患者にも向き合いながら、多職種・多診療科と連携し、地域医療をつなぐ存在として、安心を届けることと、挑戦し続けること。
その両立を通じて、地域にとってなくてはならない地域医療の拠点であり続けます。